在宅診療

寝たきりの御家族の歯でお困りではないですか?



入れ歯もないままに歯なしのままで放置してはいないでしょうか。

歯のない状態と比べて総入れ歯を口の中に入れておくだけで、脳内血流が50%ほど増えたという報告もあります。

歯のある正常人でも噛んでいる状態と噛まない状態では20%ほど脳内血流が違うそうです。
脳内活性を行うにも噛むと言うことはとても大切なことなのです。

 東北大学の渡邉誠・歯学部長らの研究グループが地域の七十歳以上の高齢者千百六十七人の協力を得て調べたデータがあります。

 歯のかみ合わせを中心にした口腔(こうくう)機能と脳の関係を多角的に調査した結果、歯の本数減と痴呆との関連が浮かび上がったのです。

 健康な六百五十二人は平均一四・九本の歯があり、痴呆の疑いのある五十五人は同九・四本と少なかったのです。

 さらに高齢者百九十五人の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)で撮影し、残っている歯やかみ合わせの数と脳組織の容積との関係を調べました。

 その結果、残っている歯が少ない高齢者ほど、記憶をつかさどる大脳の海馬付近や、意志、思考といった高次な機能を担う前頭葉付近の容積が減少している事実を突き止めたのです。

 痴呆症の一つであるアルツハイマー病になると、海馬の委縮がかなり進み、前頭葉付近も次第に委縮する事実が知られています。

 ボケ防止には、かみ合わせられる自分の歯をより多く保つことが重要、ということです。

同研究グループは、薬剤を注射し、ガムをかんだ時の脳への影響を特殊カメラでさらに観察しました。

観察の結果、脳の血流や代謝が増大しており、脳や舌が活性化することが分かったのです。

 かむことが単に脳に刺激を与えるだけにとどまらず、脳に興奮をもたらすのです。

 「かむ」ことは、左右のあごの関節を使い、左右両方にある筋肉の屈伸でコントロールする作業であると言えます。

 また歯と脳との間には、末梢と中枢を連携する神経のネットワークが存在していることが分かっています。

 「かむ」というち密な行為のために、脳は神経指令を出すなどして大いに働かざるを得ないのだということです。

 すべての歯を失い、脳に通じる歯の末梢神経も失われてしまえば、脳は活性化の機会を失ってしまいます。

 かむ意識も喪失し、あごを支えている筋肉は委縮してしまい、その神経も徐々に退化の道をたどるしかないのです。

 かみ合わせは前歯よりも小臼歯、さらに小臼歯よりも大臼歯が残っていることで一層強い力が働きます。

 脳への刺激を保つためには、歯の本数も大切ですが、かみ合わせのできる数の多いことが最も重要だということです。

 日本は、世界に例を見ない速さで人口構成の高齢化が進んでいます。

1人あたりの歯の数は、40歳で27本、50歳で24本、60歳で20.5本、80歳でわずか7.5本という惨状です。

80歳で20本の歯を残そうという「8020運動」の目標は、QOL(Quality of Life、生活の質)の確保・向上だけではありません。

老化を遅らせ健康な生活をエンジョイするためには、歯と歯茎の健康は欠かせないものなのです。

渡邉歯学部長は「もし歯がなくなってしまっても、入れ歯ででもかむことを実践してほしい。完全とは言えなくとも、口の粘膜の下に眠る神経を刺激することができるだろう。歯を大切にしようという意識が多くの人に根付くよう願っている」と述べています。

また食べ物を飲み込む時に食道に入らずに気管に入ってしまい、感染していわゆる嚥下性肺炎が死亡原因となることが多い現状があります。

この肺炎の原因菌は実は口の中で繁殖していることが多いのです。口の中に肺炎菌が多いときに食物と混ざって飲み込んで感染するのです。

お口の清掃はとても大切なのです。
弱った体には特に大切なのです。
口の中にいる細菌が全身に飛び火して意外な病気をもたらすことも報告されております。

入れ歯が土台の歯肉がやせてきたために安定が悪くなったり、こすれて痛いために入れておれないこともあります。

残っている歯が虫歯などで崩壊して、とんがったところがあり、舌や頬をいつも傷つけていることもあります。
これを放置するとガンの原因にもなります。

衛生指導や簡単に歯石をとるだけで、口臭が軽減してお孫さんが近づくようになったという話しもあります。

現実的な問題として、唾液分泌機能が劣っていると、入れ歯がくっつかないということもあります。

こういうケースでは、内科医との協力で、唾液分泌機能の回復の段階から改善しなければならないこともあり、全身的総合的判断のできる歯科医師の往診が望ましいでしょう。

現在残念ながら当院では多忙のため訪問診療のご要望に応じられません。東大阪市西歯科医師会の事務所にご連絡いただければ、最適な先生をご紹介願えます。電話番号は06-6727-8099です。事務員不在の時もあることをご了承ください。

 

 


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