御不快な方も多いでしょう



入れ歯の臭いや、ぬめりでお困りの方は多いでしょう。

入れ歯は顕微鏡で見ると小さな穴が無数に開いていて、そこに細菌やカビが住み付くと、市販の薬液や水洗いでは取れないのです。

まず良く水洗いしてください。
頑固な汚れは消しゴムでこすりましょう。
あるいはスポンジ状の「ハイテクたわし」(テクノ・インター社)に水をつけて、義歯の汚れた所をこするのも効果的です。
歯磨き粉はあまり使うと表面を傷つけてしまいます。

次に400円くらいの100度の温度計を用意します。70度から80度の間のお湯を作ります。

80度以上は入れ歯が痛むのでやめてください。そのお湯に2分くらいつけておくだけで細菌は死滅して臭いは取れます。

着色があれば酸素系の家庭用漂白剤でかなり取れます。
塩素系ですと金属部が黒くなりますので、使用しないでください。

それでも取れない歯石等は歯科医師にとっもらいましょう。
歯石の構成成分の80%は細菌ですので、全身の病気を招く原因にもなります。
放置するのは良くありません。



さて、総義歯だとどのくらい噛めるようになるのでしょうか。咀嚼能率でみると、最高で天然歯の70%、最低で10%くらいのばらつきがあるようです。

義歯は慣らし運転が大切でいきなり何でも噛めるようになるというわけには行きません。

調査によると、大体6週間くらいで満足できるようになるそうです。
咀嚼能率に至っては10週間まで上がり続け、そこからは横ばいになるそうです。
日常臨床に携わっている医師から見れば、もっと早くに噛めているような気がするのですが、意外な結果です。

入れ歯で噛むには筋肉と神経の協力が必要となりますが、それが上手く働くようになるのに時間がかかるのです。

特に長い間、歯がないままで放置して、いきなり大きな入れ歯を入れるときには、かなり難しくなります。

歯のない本数が少なくても、その都度、入れ歯を入れて行くことによって、神経や筋肉が慣れてくれるのでスムースに行きます。

前歯しか残っていなくて、なくなっている奥歯の入れ歯を入れていないと、奥歯の部分の歯肉は刺激を受けることがありません。
圧力のかからない歯肉の下にある骨は、廃用性萎縮といって、使わないとやせてしまうのです。

骨がやせると、入れ歯の維持する部分が弱いので安定は悪くなります。
おまけに残っている前歯がぐらぐらで、それを抜いて生まれて初めての入れ歯を作るとなると大変です。

最後まで残っていた前歯で噛む癖がついているので、総入れ歯を入れても前で噛む癖がついてしまっているのです。
総入れ歯は奥歯で噛むように設計されています。
前で噛むと奥の部分が浮き上がってきて、はずれやすいのは宿命です。

噛み癖がついていると、新しい入れ歯は対応が難しくなります。
入れ歯の特性をよく理解して奥歯で噛む練習をしましょう。

もちろん、舌を含めた口の中の筋肉や神経が上手に対応してくれるようになれば、前歯でもそれなりに噛むことはできるようになります。

今は、費用を考えなければいろいろな入れ歯ができるようになりました。
しかし、その際も入れ歯の特性を良く考えないといけません。

たとえば歯に引っ掛ける通常は金属でできているバネの部分が、歯肉の色と同じで見えにくい、あるいは見えないといった種類の入れ歯があります。

しかし、この入れ歯のバネに相当する部分が壊れると材質的な関係から修理困難なのです。

高いお金を出して、短期間でも審美性を優先される方はそれも承知でいいでしょうが、そういうことを確認しないで作るのはどうでしょうか。

入れ歯を作る時は、現状から変化があった時、どういう風に対応できるのかといったところまで聞いておいたほうがいいでしょう。

信頼の置ける歯科医師に御相談ください。

 

 


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