あちこちに症状が起こります



 噛みあわせが悪いと、強く当たるところだけをさらに噛み込むことになって、歯を支えている骨を破壊してやがて歯は動揺するようになり、抜けてしまいます。

そればかりでなく、体型も崩れます。
異常のない人でも習慣的に左に首を傾けて食べれば、右が強く当たるようになります。

いつも下顎が右にずれるような噛み方をしていると、右肩が下がることから始まるバランスの連鎖が起こり、最終的に美技のお尻が大きくなってしまいます。

左の金属のかぶせが高ければ、強い当たりを避けようとして右側にずらして噛もうとします。
先ほどのの話と同じ結果が出ます。

歯並びにも影響が出ます。右に下顎がずれると、必然的に右の前歯に強い当たりが襲います。

そのうちにこの当たっている前歯が出っ歯のように外へ飛び出したり、歯の軸がゆがんだりします。前歯に隙間ができたりもします。

専門的にはかみ合わせの誘導をつかさどる犬歯がストッパーとしての役割を果たさなくなるところから、全身症状が拡大します。

すなわち、体型の変形が起こることから、頭痛、肩こり、腰痛、背筋の痛み、イライラ、不定愁訴といったことが起こってきます。

天然の歯より硬い金属を入れて噛みあわせが高いままでは、磨り減るのに時間がかかって上のような道を歩むこともあります。

資金に余裕があれば、奥歯はゴールドのかぶせが推奨されているのは、ゴールドがある程度柔らかくて適応しやすいこともあります。

年を重ねるにしたがって、歯は磨り減ってゆきます。
均等には磨り減らないでしょう

また、たとえ均等に磨り減ってもその磨り減る変化の速度に顎の関節が対応しきれるとは限りません。

そうこうしているうちに高いところと低いところが出てくることにより、姿勢が悪くなってゆくのです。
ある程度は仕方のないことでしょう。

しかし、あまりひどい症状が出るようでは、歯科医師に相談することも大事だと思います。
噛み合わせが悪いと、歯周病になるか、顎関節に障害が出るかの、どちらかの道しか残されていないからです。

もちろん、不定愁訴その他の症状も放置すれば、治るはずもありません。
各専門分野の医療の連係プレーも必要になってくるでしょう。

まずは試してみましょう。
鏡の前で、 割り箸を奥歯で咬んで、まっすぐ立って、この割り箸のラインが地面と平行になっているかチェックしてください。
割り箸の先が地面の方向をさしていればかみ合わせは、ずれていますよ。
注意警報です。

なお噛む事は面白い話があります。
結腸の腹腔鏡下手術を受けた患者が、ガムを噛むことによって術後の入院期間を短縮できることが、新たな研究で明らかにされました。
腹腔鏡下手術とは、局所をわずかに切開し超小型ビデオカメラの監視下で施行する手技であり、従来の手技よりも術後の回復が早く、痛みも少ないことが知られています。
米ウェスタン・ペンシルベニア病院の James McCormick博士によれば、ガムを噛むことにより、術後一定期間にみられるイレウス(腸閉塞)が予防または軽減されることが考えられるといいます。さらに、この効果を説明する科学的論理がいくつか挙げられ、最も有力な説が「見せかけの食事」の概念であるというのです。
 つまり「通常、食事の時間として15分間は、座って噛んで飲み込むという動作を繰り返す。ガムを噛むということはこうした動作をよい方向に刺激するものであり、体自身が正常であると感じるのが早いほど、その活動も正常に戻るのが早いと考えられる。したがって、退院も早まることになる。」と説明しています。

この話も正しく噛めてこその話であることをご明記ください。

 


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