タバコは発がん性など、有害なことは周知のことで、タバコ1本で寿命が5分ほど短くなるといわれてますね。
喫煙関連疾患で死亡するのは年間約10万人で交通事故で死ぬ人より多いのです。
歯周病にももちろん大きな障害となります。真剣に歯周病を治そうとするなら、タバコを止めないと治ることはありません。 タバコを吸う人は、非喫煙者の2.6倍歯周病が進行します。 唾液に血が潜んでいる率は1.3倍です。ついでながら虫歯では1.58倍でやはり関係はありそうです。
タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させる作用があるのです。
さもなくても歯肉の血管は細くて血の流れが充分とはいえません。 運ぶ通路が狭くなるので、歯肉に運ばれる酸素や栄養素、さらには免疫に活躍してくれる白血球やリンパ球まで少なくなり、抵抗力も、修復力もなくなります。
専門的にはIgAやIgGといった免疫力を下げる働きがあり、歯根膜細胞のうち繊維芽細胞の増殖を抑制して、歯肉の歯牙への付着力を弱めるのです。
もちろん一酸化炭素によって、酸素が少なくなるという害もあります。酸素が少なくなると、酸素の嫌いな嫌気性菌である歯周病菌が増えるのです。
また歯肉を作るのに必要なビタミンCも大量に消費してしまいます。有害物質が100種類くらい含まれているということからも、歯肉に対する直接作用も、かなりな分予想されます。
唾液の分泌も抑えられるので、口の中の清掃作用が落ち込むのも悪影響があります。
性別・年代別喫煙率の推移
なお、タバコをやめると一時的に血が出やすくなることがありますが、貧血の方が歯肉から出血しないのと同じ原理です。
つまり局所的に歯肉が貧血の状態になっていて血が出なかったのが、タバコをやめて貧血がなくなって血の流れる量が多くなってきたので、出血するようになったのです。
タバコをやめて歯周病が悪化したのではありません。むしろ今までどれほど歯肉が貧血の状態にあったのか実感してください。
歯周病から脱出したいと思ったり、インプラントを将来入れたいと思う方は、絶対に禁煙の一手です。
タバコ関連死亡数
タバコを止めようと思ってもなかなか止められないのは、ニコチンに対する精神依存があるからです。 そのために、肺や心臓に病気があり医師からタバコを禁じられても止められない人や、その他の個人的、社会的な事情により、止めようとしてどんなに努力しても止めることができない人に対して、ニコチン置換療法というニコチン依存の医学的治療があります。
専門医の指導によって行われるものです。タバコ中の依存物質であるニコチンを口腔内粘膜あるいは皮膚を通して投与し、喫煙欲求を抑えたり離脱症状を抑えて禁煙を補助する医学的治療です。
吸収が緩徐のため投薬による依存は形成しにくいが離脱症状を抑えるには十分な効果があります。 しっかりとした禁煙に対するモチベーションがあれば初期のタバコからニコチンガム、ニコチンパッチへの置き換え率はほぼ100%とのことです。
その後の投薬量の減量過程では患者の努力が必要とされ、治療からの脱落もありえます。 禁煙維持が成功するかどうかのポイントはいかに止めていることへの評価をし、依存症であることの認識を持ち続けられるかです。 ニコチン置換療法に続く、プログラムの善し悪しで禁煙成功率が決まると考えられています。
どうやら自分のタバコの害の理解と強い意志が必要なようですね。
もっと詳しい歯周病とタバコの関係の話は歯科医院でお聞きください。
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